売上の構造の理解が進む分析手法を解説します。
内容は売上構成要素の分解とセグメント別の分析となります。
売上を分析してみよう
もしあなたが個人事業主・経営者、もしくは営業・財務担当者なら、
売上について会社の現状を分析することが必要に迫られることがあるかと思います。
売上=単価×数量という数式を見たことがあるでしょうか。
売上を上げるには単価を上げるか、数量を上げるかしかありません。
究極的にはどちらかを上げる努力をすれば、売上を上げることは可能です。
しかし、盲目的に施策を打つだけでは無意味どころか、今ある売上を毀損する恐れがあります。
そこで、色々な切り口で今の売上を分析し、次に打つべき施策を考えてみてはいかがでしょう?
方法1.売上=単価×数量を分解して考える(売上構成要素の分解)

「ただひたすら数を取ってくる!」気合を入れるだけでは効率的に売上を上げることは難しいです。
単価・数量を更に細かい要素に分解することで、より適切な施策を考えることができます。
例えば、業種によって以下の様な分解が考えられます。
不動産業仲介業:売上=客単価(購入代金×手数料率)×数量(約定率×月間来店数)
駐車場経営 :売上=客単価(時間あたり単価×駐車時間)×車両数(駐車可能台数×車両占有率×回転率)
美容室経営 :売上=客数(問い合わせ数×予約率×来店率×成約率)×客単価
アプリ運営 :売上=DL数×平均ログイン回数×課金率×客単価
売上を構成する要素を分解して、どこの因数を伸ばすことが効果的か考えることでどのような施策を打つべきか考える助けとなるでしょう。
(ただし、ある要素を高めるとある要素が下がってしまうような関係もあるので注意が必要です。例えば、駐車時間を長くするような施策を行うと逆に回転期間が下がる等です)。
方法2.特性別の切り口で分析する(セグメント別の分析)

方法1,では売上に直結する要素を分解して売上の理解を深めるアプローチでしたが、
これとは別に、売上をある特性別に区分し分析する方法もあります。
例えば案件受注型ビジネスの場合だと、下記の切り口で分析することができます。
・得意先別
・仕入商品別
・仕入先別
・案件別
・店舗別(支店別)
→どんな切り口で分析するのがいいでしょうか?
ビジネスの特性を理解し対応する切り口を選ぶことでより鋭い分析が可能となります。
●店舗別
例えば店舗別に売上の把握を行っている場合、まずは店舗別に分けて分析を行うと効果的です。
どこの店舗が業績が良いか悪いか判断し、改善計画を立てるか、撤退の意思決定を行うか等の意思決定の判断を行う材料になります。
●得意先別
得意先別毎に特徴が出る場合、例えば特定の得意先について売上が大きい場合や、時期等で売上が大きく増減する場合等は得意先で切って分析すると、有用な分析ができるでしょう。
また、得意先の地域・規模・業種や、個人であれば年齢や性別といったより大きなグループで切ると有効な場合があります。
●商品別
特定の顧客というよりは、商品の種類その価格で売上が左右される場合は商品別で切って分析することが有用と考えられます。
(また、特定の仕入先からしか仕入れられない商品・価格帯がある場合は仕入先別で切ってみることも有用かと思われます)
いろんな切り口があると思うので、分析テクニックの一つとして是非役立てていただければ幸いです。