確定申告をした場合のふるさと納税で控除額の事後確認方法を紹介します。またワンストップ特例制度を利用し、確定申告していない場合の確認方法も紹介します(確定申告をした場合よりも簡単です)。
役所のミスでふるさと納税損!?
ふるさと納税をして得した気分になっても、役所の税控除計算が間違っていたら払い損です。
下は、産経ニュースの渋谷区、ふるさと納税控除適用漏れの事案です。明日は我が身かもしれません。https://www.sankei.com/affairs/news/180512/afr1805120007-n1.html
ふるさと納税の概要
ふるさと納税は自治体に寄付を行うことで、「寄付額(ふるさと納税額)ー2,000円」が税控除され、かつお礼の品がもらえるものです。
また、ふるさと納税による寄付金控除の対象は下記のとおりです。
ワンストップ特例制度の場合
→ふるさと納税分の控除額(ふるさと納税額ー2,000円)は住民税からのみ控除。
確定申告を行っている場合
→ふるさと納税分の控除額(ふるさと納税額ー2,000円)は住民税と所得税から控除
確定申告した場合の納税控除の確認方法
下記、住民税控除分(Ⅰ)と所得税控除分(Ⅱ)の金額の合計がふるさと納税の税控除分となります。
1.住民税控除分
資料:自治体から5〜6月に送付される納税決定通知書を用意します。
→①納税決定通知書の下記「黄色の枠の金額の合計」を確認します。 →これを住民税控除分(Ⅰ)とします。

2.所得税控除分
資料:昨年度分の確定申告書の控えを用意します。
②「所得から差し引かれる金額」の「寄附金控除」(緑枠)の金額を確認します。
③「税金の計算」の「課税される所得金額」(青枠)の金額を確認します。 (なお、当該箇所が空欄で、FX等で分離課税用の確定申告書等別途作成している場合は、そちらから課税される所得金額を確認してみて下さい。)
④ ③に適用される所得税率を国税庁HPで確認します。 所得税は下記HPをご参照下さい。 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
例えば「㉖課税される所得金額(青枠)」の金額が5,000,000であれば所得税率は20%です。
⑤ ②の「寄附金控除」(緑枠)×④の所得税率で所得控除額を算出します。 →これを所得税控除分(Ⅱ)とします。

住民税の控除分(Ⅰ)と所得税の控除分(Ⅱ)の合計がふるさと納税の金額ー2,000円と近しい金額であれば、役所の計算は大体あっていると考えてよいでしょう。
ワンストップ特例を利用した場合の納税控除の確認方法
上記の住民税の控除分(Ⅰ)の金額が納税の金額ー2,000円と近しい金額であれば、役所の計算は大体あっていると考えてよいでしょう。
計算金額とふるさと納税額が大きく合わない場合
上記の計算で金額が一致しない場合には下記についても検討してみてください。 下記を踏まえても明らかに金額が不足していれば、管轄の自治体へ問い合わせてみることをおすすめします。
税額控除額の中に他の要素が含まれている
→住民税の税額控除の中にはふるさと納税以外に、調整控除、配当控除、住宅ローン控除、ふるさと納税以外の寄付金控除などが含まれています。
例えば、株式配当について申告分離課税を適用していない場合や住宅ローンがある場合等、該当がある場合はその部分を考慮した上で計算を行う必要があります
副業分の住民税を会社とは別に自分で納付している場合
副業を会社に知られないため、確定申告時に住民税を給与から差し引きではなく、自分で納付している場合、「給与所得等に係る納税決定通知書」の住民の税額控除(上記Ⅰの黄色枠)にふるさと納税分が反映されていないことが有ります。
この場合、上記の「給与所得等に係る納税決定通知書」とは別に、副業分の住民税を含めた「住民税額決定通知書」が5〜6月に送付されてきます。ふるさと納税の税額控除が「寄付金税額控除」として控除されていないか確認してみましょう。
上限額を超えてふるさと納税をしてしまっている
→上限額を超えた部分についてもお礼の品はもらえますが、控除の対象にはならずその分住民税の税額控除分が減ってしまうことがあります。
まとめ
- 確定申告している場合は(Ⅰ)納税決定通知書から「住民税控除分」+(Ⅱ)確定申告書から「所得税控除分」がふるさと納税額ー2,000円と近似しているかチェック!
- ワンストップ特例を利用している場合は(Ⅰ)納税決定通知書から「住民税控除分」ふるさと納税額ー2,000円と近似しているかチェック!
- 大きく一致しない場合は他の要素を検討した上で、自治体への問い合わせを !