A.会社の方針によります。
企業会計原則では特別損益に該当する項目を例示列挙しており、その中でも、「金額の僅少なもの又は毎期経常的に発生するものは、経常損益計算に含めることができる。」とされております。
そのため、企業会計原則上は臨時的なもので、少額であるものについても特別損益として計上しても問題ないと考えられます。
注12 特別損益項目について
企業会計原則注解12
(損益計算書原則六)
特別損益に属する項目としては、次のようなものがある。
(1) 臨時損益
イ 固定資産売却損益
ロ 転売以外の目的で取得した有価証券の売却損益
ハ 災害による損失
(2) 前期損益修正
イ 過年度における引当金の過不足修正額
ロ 過年度における減価償却の過不足修正額
ハ 過年度におけるたな卸資産評価の訂正額
ニ 過年度償却済債権の取立額
なお、特別損益に属する項目であっても、金額の僅少なもの又は毎期経常的に発生するものは、経常損益計算に含めることができる。
一方、少額の臨時的な損益を特別損益項目とすると「特別損失 0百万円」といった形で財務諸表上に表示される可能性があるため、臨時的項目でも少額の損益については営業外損益とする方針の会社もあります。
また、企業会計原則以降に公表された「棚卸資産の評価に関する会計基準」では、棚卸資産の評価損については臨時かつ巨額のものについて特別損失とする旨が示されています。そのような他の会計基準の考えとの整合性の観点から臨時かつ巨額のもののみ特別損益とすることも考えられます。
開 示
通常の販売目的で保有する棚卸資産の収益性の低下に係る損益の表示17.通常の販売目的で保有する棚卸資産について、収益性の低下による簿価切下額(前期に計上した簿価切下額を戻し入れる場合には、当該戻入額相殺後の額)は売上原価とするが、棚卸資産の製造に関連し不可避的に発生すると認められるときには製造原価として処理する。また、収益性の低下に基づく簿価切下額が、臨時の事象に起因し、かつ、多額であるときには、特別損失に計上する。臨時の事象とは、例えば次のような事象をいう。なお、この場合には、洗替え法を適用していても(第14項参照)、当該簿価切下額の戻入れを行ってはならない。
棚卸資産の評価に関する会計基準17項
(1) 重要な事業部門の廃止
(2) 災害損失の発生
以上より、特別損益については例えば下記のような計上のルールを会社で定め、継続して適用することが考えられます。
- 固定資産売却損益等の項目は全て特別損益とする。
- 臨時かつ一定金額以上のもののみ特別損益とし、少額のものについては営業外損益とする。
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